ドイツ語の形容詞は、主に3つの用法で使われます。
「述語」としての使われ方、「付加語」としての使われ方、そして「副詞」としての使われ方です。それぞれ「述語(的)用法」、「付加語(的)用法」、「副詞(的)用法」などといわれることもあります。
これら3つの用法のうち、述語的用法や副詞的用法については分かりやすいのですが、問題は付加語的用法です。かなりややこしくなります。
その理由も含め、それぞれの用法について概要を説明しましょう。
形容詞の述語的用法
まずは述語的用法です。述語として使われる形容詞、とはどういうことでしょうか。
例えば、「美しい」という意味の形容詞 schön を例に説明しましょう。
「彼女は美しい」をドイツ語にすると、以下のようになります。
このように、「…は…だ」という形で形容詞を使う場合が述語的用法に該当します。基本的に、「主語+sein 動詞+形容詞」の形であると覚えておくと分かりやすいと思います。
この場合、形容詞は変化しませんので、何も難しいことはありません。
問題は、次の付加語的用法です。
形容詞の付加語的用法
付加語として使われる形容詞、とはどういうことでしょうか。
これはすなわち、名詞の前に置かれて、その名詞を修飾する形容詞のことです。
形容詞がこの付加語として使われると、前述の述語的用法とは異なり、名詞の性、数、そして格によって変化するようになるのです。
さらに、これらの変化に加え、定冠詞がつくのか、不定冠詞がつくのか、それとも無冠詞なのかによっても変化してしまうのです。
後の記事でそれぞれ詳しく説明します。
形容詞の副詞的用法
形容詞は、副詞として使われることもあります。
例えば、先ほど挙げた schön は、「美しい」という形容詞でありながら、「美しく」という副詞で使われることもあるのです。
彼女は美しく歌う。=彼女は歌が上手い。
このように、形容詞は副詞として使われることもある、ということを覚えておきましょう。