疑問詞を使った疑問文を「補足疑問文」というのに対し、疑問詞を使わない疑問文を「決定疑問文」といいます。
決定疑問文とは、その文に対する回答が ja(はい)か nein(いいえ)で答えるような疑問文のことです。
例えば、以下のようなものです。
お時間はありますか?
こういった質問に対しては、ja もしくは nein のいずれかで答えることになるのが分かりますね。
はい、あります。
いいえ、ありません。
こういう風に答えるような疑問文を決定疑問文というわけです。
決定疑問文の作り方と語順
決定疑問文では、疑問詞がない代わりに、定形(動詞)が文頭に置かれます。
上に挙げた例文をもう一度見てみましょう。
お時間はありますか?
定形である haben が文頭に置かれているのが分かると思います。
補足疑問文では「定形第2位」の原則が適用されましたが、決定疑問文ではその原則が当てはまらないわけです。
また、英語のように Do you …? という風に do を使わないので、その代わりに定形を文頭に持ってくるような感じですね。
否定を含む決定疑問文に対する答え方と dochの使い方
決定疑問文では、否定を意味する nicht や kein などが含まれることがあります。
この場合、ドイツ語ではやや特殊な答え方をします。
例えば、以下の例文を見てみましょう。
あなたは疲れていませんか?
この場合、nicht müde の部分が「疲れていない」を表す否定の内容です。
日本語の場合、相手の質問を肯定する(つまり、「疲れていない」場合)、「はい、疲れていません」と答えますよね。
そして、相手の質問を否定する(つまり、「疲れている」場合)、「いいえ、疲れています」と答えます。
それに対し、英語の場合は、否定文で答える場合は、no を使い、肯定文で答える場合は yes を使います。
ですから、「疲れていない」場合は、”No, I’m not tired.” と答え(日本語に直訳すると「いいえ、疲れていません」)となり、「疲れている」場合は、”Yes, I’m tired.” と答える(日本語に直訳すると「はい、疲れています」)ことになります。
ドイツ語の場合は、英語の答え方と似ていますが、”Yes, I’m tired.” と答える場合には、yes に該当する ja ではなく、doch を使います。
つまり、否定文で答える場合は nein を使うのですが、肯定文で答える場合は doch を使うのです。
あなたは疲れていませんか?
いいえ、疲れています。(Yes, I’m tired.)
はい、疲れていません。(No, I’m not tired.)
ややこしいですか?
ややこしいですよね。
まあ、簡単な覚え方としては、否定を含む決定疑問文が来た場合は、「肯定文」で答えるときは doch、「否定文」で答える場合は nein で答えると覚えておきましょう。
答える内容で doch だったかな、nein だったかな、と考えると混乱するかもしれませんので、あくまで答えの文章が「肯定文」であるか「否定文」であるか、で考えるわけです。