名詞には、通常単数形でしか使われず、複数形で使われることがほとんどない名詞というものがあります。
可算名詞と不可算名詞
複数形になる名詞のことを「数えられる名詞」ということで「可算名詞」と呼びます。また、「数えられない名詞」のことを「不可算名詞」と呼びます。
不可算名詞は、通常単数形で使われ、冠詞がつく場合も、不定冠詞ではなく定冠詞がつきます。
不可算名詞の例
不可算名詞には色々とありますが、主なものに「物質名詞」と「抽象名詞」と呼ばれるものがあります。
厳密には、これら以外にも不可算名詞はありますが、今回は物質名詞と抽象名詞に絞って学びましょう。
物質名詞とは
物質名詞は、その名の通り、Wasser(水)や Eisen(鉄)など、数えられるような形状を持たない名詞のことです。
物質名詞が可算名詞で使われる場合
ただ、物質名詞でも、特定の物を指したり、種類に言及したりする場合など、ある程度の具体性を持った時には、可算名詞として用いられることがあります。
例えば、Bier(ビール)は通常この形でしか使われませんが、ビールの種類が複数ある場合などは、複数形の Biere が使われます。
抽象名詞とは
抽象名詞は、Freiheit(自由)など抽象的な事柄を表す名詞です。
抽象名詞が可算名詞で使われる場合
抽象名詞も、ある程度の具体性を持った場合に、可算名詞として使われる場合があります。
例えば、Schönheit は「美」や「美しさ」を意味する抽象名詞で、もちろん数えられないため、通常は不可算名詞です。
ただ、この「美」が具体性を持って、「美女」を指すようになると、可算名詞となり、複数の美女を指す場合には、複数形の Schönheiten が使われることになります。