動詞が主語や時制に応じて変化した形を「定形」と呼ぶことは学びましたね。(参照⇒「定形」と「不定形」、「定動詞」と「不定詞」とは何か その違いとは)
今回説明する「定形第2位」とは、その定形が「文章の2番目に来る」という原則のことです。
「定形第2位」の原則
「定形第2位」の原則が適用されるのは、つまり定動詞(定形の動詞)が文章の2番目に来るのは、平叙文や疑問詞を使った疑問文などです。
例を見てみましょう。
Ich fahre heute nach München.
私は今日ミュンヘンへ行きます。
シンプルな平叙文です。動詞 fahre が文の2番目に置かれていますよね。ちなみに、fahre は、不定詞 fahren(行く)が活用した形です。
この文は、例えば以下のように言い換えても、動詞の位置は変わりません。
Heute fahre ich nach München.
今日私はミュンヘンへ行きます。
この文では、副詞の heute(今日)を文頭に持ってきていますが、動詞 fahre は相変わらず文の2番目の位置です。
また、以下のように言い換えることもできます。
Nach München fahre ich heute.
ミュンヘンへ私は今日行きます。
この文では、nach München(ミュンヘンへ)を文頭に持ってきています。ここでも動詞 fahre は相変わらず文の2番目の位置です。
「あれ、この文では、動詞 fahre は3番目にあるよ?2番目は München じゃないの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
この場合、nach München は、文の中で「1つの要素」であるとみなされます。そうすると、動詞 fahre は依然として、2番目に置かれていることになります。
そういう意味で、「定形第2位」の原則では、厳密にいうと、動詞は「2番目の語」として置かれるというよりも、「2番目の要素」として置かれるということになります。